下草を刈る
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先日ニュースを見ていたらオーストラリアのケビン・ラッド首相が北京大学での講演の模様が映し出されていました。
よく聞くととても流暢な中国語で講演されています。
驚きました。
中国語は、中国国内だけでなく、世界中にいる華僑をはじめ、最も多く使われている言語のひとつです。にもかかわらず、世界を見渡しても中国語を操る首脳はそうはいないと思います。
ラッド氏は大学で中国語、中国史、中国文学を専攻した大変な中国通との事。オーストラリアの外交官として在中国大使館にも勤務していたそうで、納得です。
これまで培った中国語のスキルを発揮して対中外交に取り組まれることでしょう。
訪問した国の言葉を片言でも話すということは、とても重要だと思います。政府要人などの場合は、通訳がいますから自国の言葉で交渉も出来るのでしょうが、やはり相手に与えるインパクトが違います。特に今回のように学生や市民に対して、中国語で語りかけるラッド首相の姿は、中国国民に大いに親近感を抱かせたことでしょう。外交という厳しい場であっても、同じ人間同士ですから、通訳を介さずに意思疎通が出来るということは人間関係作りにも意味があります。
相手の懐に飛び込むラッド首相の姿に、今後のオーストラリアと中国との関係発展が見えてくるようです。
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北京五輪の聖火リレーが各地で混乱を引き起こしています。
チベット自治区のチベット族に対する中国政府の人権侵害を問題視する抗議行動の格好のアピールの場として、世界各地を周る聖火リレーが標的にされています。
平和の祭典であるオリンピックの聖火リレーが暴力的行為によって妨害されることは、許されるものではありません。
かつて私も長野オリンピックの聖火リレーが飯島町にやってきたのを祖母と一緒に見に行きました。聖火リレーは期待と希望、喜びのセレモニーです。
それが今や、厳重な警備体制の下で、また、突然ルートを公表したものと変更するなど、聖火リレーを祝福しようとする市民とは隔離された物々しいものになっています。
これでは何のための聖火リレーかまったく分かりません。
今回の騒動は、やはり中国政府の対応に原因があります。
中国がオリンピックの開催国として本当にふさわしいのか。オリンピックを機に一層世界に開かれた国として飛躍することが出来るのか。それが、今回のチベット問題によってあぶりだされています。
13億人の人口と56にも及ぶ民族からなる国家を統制することは簡単ではないことは容易に分かります。共産党による一党支配だからこそそれが可能ともいえますが、裏を返せば、それでは中国に真の民主主義とか人権といったものは育たないとも言えるでしょう。
共産党支配の下で、改革開放政策が推し進められたことで、随所でブレーキを掛けながらうまく中国政府は経済成長を遂げてきました。
天安門事件で何があったのか、チベットの暴動で何があったのか、真相を知りえないまま、中国は世界との経済的結びつきを強め、世界の中でなくてはならない国としてその存在感は増しています。
国際社会の一員として、世界の信頼を勝ち得る国に中国はなるべきです。
しかしそのために、中国政府首脳はダライ・ラマと会談し、チベット人権問題について改善を図る意思を示すことが出来るのか?
あの巨大な国家を統制していくために、強権的な手法を取るのではなく、中国に合った民主的な手法で国を治める方法は無いのか?
聖火に危害を加えるというやり方ではない、明確なメッセージを世界は中国に発信していかなければなりません。
日本も、「触らぬ神に祟りなし」みたいな姿勢はやめて、オリンピックを成功させるためにも、中国が国際社会の一員として堂々と認められるためにも、はっきりとチベット問題の解決に向けての具体的行動を求めるべきです。
それが、真の隣人としての役目ではないでしょうか。
26日には、長野市に聖火がやってきます。10年前のあの感動を思い起こさせるような希望に満ちたリレーをみたいものです。
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