天然住宅の執念
一般社団法人天然住宅の相根昭典代表を飯島町にお招きしお話をお聞きました。
天然住宅は、「健康でエコな住まいをすべての家族に」をキャッチフレーズに首都圏で、住宅販売を展開しています。
20年以上いわゆるエコハウスに取り組んでこられた相根さんの実績と知識は他の追随を許さないというくらいのもので、その徹底ぶりはただただ驚くばかりです。
相根さん曰く、20年間エコハウスの普及に取り組んできたにもかかわらず、社会は何も変わっていないという想いが天然住宅の出発点にあります。
世のなか、環境に関心のある人も確実に増えては来ているし、メディアも取り上げるようになってきています。しかし、たとえば、有機農業など喧伝されているにもかかわらず、食品のマーケットの占有率はオーガニック食品でわずか0.18%。その内国産に限ってみれば0.06%だとのこと。
相根さんは、住宅分野でこれまでの環境に配慮しようというニッチマーケットから、プレハブメーカーのマーケットに切り込み、マスマーケットへのチャレンジを目指します。量を作らないとどうしても社会は変わらないと相根さんの意気込みです。
当然、これまで縁の無かった政治へもつながりを作り、法律を変えるなどの活動も始められています。
とてもユニークで、感動すら覚えるのは、天然住宅が「一気通貫」という概念でビジネスを構築していることです。
日本の木造住宅のほとんどは海外からの輸入です。海外の山林を破壊している現実もあります。一方、国内の森林は今、ともて木が豊富な状態です。しかし、山は荒れている。
日本の木材を製品にするにはコストがかかりすぎて、なかなか手がつけられないという現状があります。
相根さんはこの状態を何とかしなければ日本の山は荒れ果ててしまうと危惧され、木材の伐採から、製材、製品化、そして住宅建設のマーケットまでをつなぐ事業展開を進めています。
更には、天然住宅バンクという銀行まで設立し、お金の流れまで作り変えようとしています。
この日の講演も、本来5,6時間かかるお話を1時間半でお話しいただいたため、ジェットコースターのような感じで、ただ驚くやら感心するやらのあっという間の時間でした。
相根さんは、想像するに事業経験も、ネットワークもとても豊富で、社会的地位もきっと高い方なのだとお話を聞いていて感じました。
しかし、最寄りのJRの駅まで私がお迎えにあがったのですが、お会いした瞬間に心が和むような、頼りがいのある方なんです。
講演の後の歓談で、相根さんの取り組みは八面六臂、信じられないような行動力で、また、新しい商品や仕組みを次から次へと作られているので、「立場やお金がないと出来ないですよね。」と言ったら、「そんなの必要ありません。必要なのは執念です。」と言われました。
「今の社会を変えなければ、今がそのぎりぎりのところ」という相根さんは、これまでの事業のなかで、理不尽なことや、くやしい思いもたくさんされてきたようです。そんな思いを跳ね返す力が“執念”だったのだろうし、25年前、誰も理解してくれないエコハウスという概念の事業にたった一人で、あきらめることなく取り組んでこられたのも“執念”だったのではないでしょうか。
相根さんの物腰が柔らかいだけに、一層“執念”と言う相根さんの言葉に、ズシーンとくる重みを感じました。
私自身、建設業に携わる者として、また地域づくりに携わる者として、社会を変えようという最前線で戦っている人の“執念”を感じるかけがえの無い時間でした。
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